2007年11月27日火曜日

犬用


スーパーの片隅の純然たる肉屋に(not 精肉コーナー)、「犬用肉」なる小さなパックを発見。200グラムで80円くらいだったろうか。
ほう、噂の手作りフード用ってやつですな。見た感じは普通の切れ端肉というか、人間の食用肉と変わりは無いけど、どこの部位かな?硬いのかな?脂が少ないのかな?猫には駄目なのかな?まなかな?
うーん…興味深い…どんなお味なのかしらん…しかし随分安いなぁ
なんて考えながら、ワンコオーナーでも無いのに、じっとパックを持って佇んでしまった。にゃんこなら2匹いるんだけどね。

例えば、このワンコ用肉を使ってのすき焼が月に一度の贅沢という貧窮問答歌な家庭があったとして、そこの息子が大いなる野心を抱いた青年へと成長し、80年代アイドル張りの礼儀を持ってあの手この手でのし上がり、一角の実業家として成功を掴んだ後、愛犬とともにひっそり食す手作りワンコフードが彼の魂震わすソウルフードになったり。ならなかったり。ならないか…。

とか考えてたら、吉本ばななが何かで語ってた「まず焼き卵」という話を思い出した。
幼い頃、度々食卓に上がった父・吉本隆明氏の料理がキテレツなものだらけだった、という話なのだが(ex/ヨーグルトの入ったおでん、ジャムを巻いた寿司等)その中の一品が、「ものすごくたくさんの油で焼かれべったりと湿り、中に半生のたまねぎと大量の化学調味料の入ったオムレツのようなものにトンカツソースをかけて食べる」まずいまずい玉子焼きなのだという。
うーん、ひじょうに不細工な味っぽいな。
しかして、成長してみると、その不味さを懐かしく思い何度も自分で作ってみるがなかなか再現できない、ああ悔しい何なのだあの不味さはという話だった、気がする。

随分と不味そうな代物なのに、妙に胃酸を刺激する話なんだぬー。
まず焼き卵。

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